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首相の言う「原発に依存しない社会」って???

7月13日午後6時からの首相会見。
この中で、菅首相は「原発に依存しない社会」の実現を目指すと高らかに宣言した、
と新聞やテレビのニュースはウェブで速報を流している。
しかしながら、首相が本気で「原発に依存しない」ことを実現させる気があるのかどうかは疑わざるを得ない。
だからかどうかわからないが、NHKの9時からのニュースでは、なでしこジャパンが前にきて、決して大きな扱いとは言えない会見となった。

なぜ疑わしいと思うか、その理由を書いていく。

会見の最後の質問で、日経の記者が「(前略)首相は、原発を再稼働させる気があるのか?」
と聞いたことに対して、首相はこんなことを答えた。
「国民が納得する形で専門家の方々に問題を提起していただき、政治的には私を含める4人が最終的に判断する合意をした。そこできちんとした提起があって大丈夫ということがあれば、再稼働ということも充分ありうる」。
これは平たく言えば、間違いなく安全だと言えるんなら再稼働OKということだ。
「原発に依存しない」と言った舌の根も乾かぬうちに……。

この点をもう少し掘り下げて考えると、いろんなことが見えてくる。

今日の会見を要約すると、「原発に依存しない社会を目指す」ことを前提に「安全であれば原発再稼働もありうる」ということだ。
しかし、反原発の世論が高いいまの状態で、再稼働する気がないのに再稼働の可能性を匂わせたとしたら、これはとても不誠実なことだ。
原発が停止することで国民の暮らしや経済活動が制限を受けている現状をどうにかしてくれという国民の期待は、裏切られることになる。
反対に再稼働を視野に入れているとしたら、「原発に依存しない」のはどれくらいの本気度で言っているのか、大きな疑問符が付く。

この前の質問で、共同の記者の「脱原発を目指すなら、何年までにどのくらい減らすのか、目標を明示すべきでは?」という問に対し、「震災以降、多くの原発が停止している状態で、それが国民生活に悪影響を及ぼさないためにどうすればいいのか考え、しっかりと計画を立てていきたい」なんて悠長なことを言って質問をはぐらかしている。
もう4か月も経っているのに、今日まで方向性すら定まっていなかったことについては触れないままだ。

さらにNHKの記者が「原発ゼロの社会を目指す」と言ったところ、「私の表現では、原発に依存しない社会を目指す。計画的、段階的に原発依存度を下げ、原発のない社会を実現する、このように申し上げました」と、メモを見ながら答えた。
「原発のない社会」なら、「ゼロ」と言っても良いではないか。
昔からそう思っていて信念を持っているなら、メモなんか見なくても答えられるはずで、むしろ答えられなければならない。

原発再稼働も含めて「原発に依存しない社会」を目指すための中長期的な展望は今後お示しをしたい、とも言っていたが、結局のところ今日は、時期の目標を設定せずできるかどうかもはっきりしない、だけど国民受けはよさそうなことをとりあえず言いました、ってことに他ならない。
そして、「ゼロ」とはっきり言わないことで、脱原発が実現できなかったときの言い訳を担保しているとも言える。
要するに、6月2日の進退についての発言と同じで、今日の会見でも結局は、どっちとも取れることしか言っていないのだ。

原発事故が恐ろしく、厄介なのはこの震災ではっきりしたが、菅首相は国民のその恐怖心に付け込んで、自らの延命に利用しようとしていることが透けて見える。
首相は否定したが、今後もし、脱原発を争点に解散したとしても、歴史的には「脱原発解散」とは言われず、「思いつき解散」とよばれることになるだろう。
「脱原発」というだけで、いまの首相を支持することは、日本の将来にとって悪影響を及ぼさないのか、じっくりと考える必要があると、私は思う。